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2021年01月13日

来年度中1英語の教科書と、小学英語について①

来年度(2021年度)より、中学校では「新学習指導要領」が全面実施され、それに伴い教科書も改訂されます。

また、吹田市の英語の教科書は現在「NEW CROWN」(三省堂)ですが、「NEW HORIZON」(東京書籍)へと出版社自体も変わります。

 

そして、先日その英語の教科書の中身を見ることができましたが、明らかに質も量もレベルアップしており、衝撃を受けました。

 

現行の教科書では、be動詞がLesson1〜2、一般動詞がLesson3〜、助動詞canがLesson7にそれぞれ登場します。

しかし、新しい教科書では最初のユニットでbe動詞と一般動詞、助動詞canが同時に登場します。

 

小学校の英語がすでに教科化され、基礎的な内容はすでに小学校で学んでいるというのが前提になっています。

 

実は小学校の英語では、けっこう難しい英文を扱っています。

(小5)

I have P.E. on Monday.

I can run fast.

Where do you want to go?

(小6)

My town is beautiful.

What’s your best memory?

What country do you want to visit?

などなど…

 

確かに、be動詞、一般動詞、canも習っています。

でも、小学校では「文法は教えない」ということです。

 

例えば、

「相手に将来なりたいものを聞く時は What do you want to be?  と言います。

答えるときは I want to be (a vet). などと答えます。

では、(  )のところにいろいろな単語を当てはめて友達と話してみよう。」

 

…みたいな進め方です。「文法」ではなく、英語の「表現」として学ぶのです。

 

一方、中学では、「文法」として理解することが必要ですし、「書く」ことが求められます。

習った文法や単語などは、「覚えて、書ける」ことが求められています。

 

中学校の1学期で、小学校で習っている「表現」を「文法」事項として整理すること、そして英文として書けるようになることを目的として、この新しいNEW HORIZONの教科書は作成されているそうです。

 

それで、be動詞、一般動詞、canが最初に登場するわけか…と一応納得なのですが…

 

今までは、be動詞と一般動詞の意味や使い方の区別について、かなり丁寧に教えてきました。

中1英語の中で1つの関門とされているところであり、この部分が疎かになると、後の英語に多大な悪影響を与えてしまうからです。

いくら小学校である程度やっているからといって、それを最初の段階で一気にやってしまって大丈夫なのかと心配は尽きません。

 

また、下記の内容が中2から中1に移行になっています。

・be動詞の過去形(中2の1学期)

・過去進行形(中2の1学期)

・There is ( are ) 〜構文(中2の2学期)

・動名詞(中2の2学期)

・不定詞の名詞的用法(中2の2学期)

・look+形容詞(中2の2学期)

・howを用いた感嘆文(中2の3学期)

 

 

単語についてもかなり量が増えています。

NEW HORIZONでは、小学校の既習語630語と中学校の新単語が約700語で、合計約2300語を取り上げています。

小学校ですでに630語…。でも、それは書くことを求められていませんし、小学生たちがどれほど覚えているでしょうか。

書くこと(綴り)については、結局中学ですべて覚えなおしが必要となるかもしれません。そうすると、小中合わせて2300語というのは、現行の教科書の1200語から考えると、倍増となります。

そして当然のことながら、教科書の本文を見ると、かなりのボリュームを感じます。

 

単語も、文法も、英文も、すべてにおいて高いレベルを求められています。

中1英語の負担が大きく増すことは間違いなさそうです。

(②へつづく)